カフェ開店へ準備 引きこもりの就労支援(和歌山)
10月6日17時16分配信 紀伊民報
田辺市の「NPOかたつむりの会」(河原美和子代表)は同市上屋敷に、引きこもりだった人や障害者の就労場所、地域の憩いの場となるカフェを開店する。年内をめどにしており、引きこもり状態から求職活動を始めた人や会員らで準備している。会は「引きこもりの人の相談機関はあるが、働く場所が少ない。一人でも多くの人が働けるようにしたい」と話している。
同会は、地域づくりなどを目的に今年2月に設立した。その第一歩として会員が所有する一軒家を改装し、カフェにする。
その準備として、店の隣に約10人が週1、2回集まり、店で出すパンやピザを焼く石窯と小屋を手造りしている。白浜町才野の自営業、竹本二郎さん(63)が作業を指導し、初心者のメンバーは道具の使い方から教わりながらセメントを敷き、その上に石を積んでいる。引きこもり状態から求職活動をしている人も、人と接することで、社会で生活する自信が付いてきているという。
石窯の高さと幅は約1メートル30センチになる予定。小屋の壁面には、会員らが描いた果物や虹などのタイルを張っている。食事をしながら楽しめるよう、石窯小屋が店内から見えるようにした。石窯の完成予定は10月末。
カフェは、初めは石窯造りをしている人で運営し、徐々に就労希望者を受け入れる。店を手伝ってくれるボランティアも募集している。
会は「今もいろんな人が力を貸してくれている。これからも多くの人に支援してほしい」と話している。
県内では、引きこもり状態の人を支援する輪が広がっている。田辺市の「NPOハートツリー」は同市下屋敷町で、引きこもり青年の居場所づくりに取り組んでいる。通所者は現在、10代後半から20代の約10人。読書や菓子作りなどをしている。施設を出て大学に行ったり、施設外に求職したりする人もいるという。
和歌山市手平では、「NPOエルシティオ」が共同作業所を運営している。引きこもりだった約15人や職員がコーヒーの焙煎(ばいせん)や販売をしている。
田辺市健康増進課によると、引きこもりの人らを対象にした市の相談窓口には昨年度延べ643件の相談が寄せられた。窓口を設立して7年目になり、相談件数は2004年度の延べ1097件をピークに減少している。同課は「引きこもりの人の数が減ったとは言えず、ほかに相談窓口がでてきたことなどが原因ではないか。カフェができ、支援の輪が広がるのは大変うれしい」と話している。
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ひきこもり等の問題はなかなか家族だけでは解決できないことも多い。相談をできる人や場所があるのは大切なことではないだろうか。
すぐに明らかに引きこもりの人の数が減るというのは難しいと思う。しかし重要なことは、引きこもりの人が相談する場所や人が増える、増えたということだろう。
NPOがその相談場所になる、そしてひきこもりで苦しんだ人がそこを卒業し、社会復帰した後に、同じように苦しんでいる人たちの相談相手になってあげることができれば、加速度的に引きこもりの人の人数は減っていくのではないだろうか。